お知らせ

第59回『お灸の効果って何?仙台赤門医療専門学校が詳しく解説します』

お灸は日本の伝統医療で、数千年以上もの歴史を誇る東洋医学の一部です。
仙台赤門医療専門学校では、このお灸の効果について詳しく学ぶことができます。

お灸の基本的な効果は何かというと、体の内部に熱を与え、気血の流れを改善することです。
お灸を施すと血行が良くなり、筋肉や組織の緊張がほぐれます。これにより体の不調や痛みの緩和、疲労回復が期待できます。

また、お灸には免疫力を高める効果もあります。
免疫力が低下すると、風邪や病気にかかりやすくなります。そのため、健康維持には免疫力の高さが重要です。お灸は体のバランスを整え、免疫機能を活性化させる効果があります。

さらに、お灸はリラクゼーション効果もあります。
お灸の温かさによって、体がほぐれ、心地よいリラックス状態になります。これはストレス解消や睡眠の質を高めるのに役立ちます。日常の疲れやストレスから解放され、心身のリフレッシュを図ることができます。

お灸はさまざまな症状に対して効果があり、肩こりや腰痛、冷え性、生理痛などの体の不調に対して有効です。また、美容面でも活用でき、肌の血行を促進し美肌効果を期待することもできます。

仙台赤門医療専門学校の鍼灸マッサージ東洋医療科では、経験豊富な教員達の指導のもと、臨床実習や実技、クラブ活動を通じてお灸の効果や使い方を学び、実践的な技術を磨くことができます。学校附属治療所では一般の患者さんへの臨床実習もあります。
また、お灸だけでなく鍼やあん摩マッサージ指圧などの東洋医療の幅広い技術を習得するために解剖学や生理学などの基礎科目も学ぶので、東洋医学の理論と西洋医学の知識を統合することができます。

鍼灸マッサージ東洋医療科の学生は、国家資格である鍼灸師やあん摩マッサージ指圧師の資格取得を目指します。これらの専門家は、健康や美容、ストレスケアなど様々な分野で活躍することができます。
さらに、技術の習得だけでなく、人間性やコミュニケーション能力の向上にも力を入れています。患者さんとの信頼関係を築き、適切な施術やアドバイスを提供できるようになることが目標です。

仙台赤門医療専門学校の鍼灸マッサージ東洋医療科への入学を考えている方は、オープンキャンパスに参加して、学校の雰囲気やカリキュラムに直接触れてみましょう。

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第58回『東洋医学の鍼灸治療:基本原理と仕組みを理解する』

鍼治療の様子

今回は「鍼灸治療の基本原理と仕組み」について説明します。
鍼灸治療は、東洋医学の根幹をなす治療法で、古来より自然治癒力を高める効果が期待されてきました。ここでは、その基本的な原理と仕組みについて簡単にお話します。

鍼灸治療の基本原理は、「気(き)」、「経絡(けいらく)」、「経穴(けいけつ、いわゆるツボ)」。つまり「ツボ」の3つの要素に基づきます。気は生命活動を司るエネルギー、経絡は気の流れる通路、そして経穴は経絡上に存在する特定のポイント(ツボ)を指します。
鍼は細い金属針で、経絡や経穴に刺激を与えることで気の流れを調整し、体のバランスを整えることを目指します。鍼を刺すことにより、神経や筋肉が刺激され、自然治癒力が高まり、痛みが緩和されます。

一方、「灸(きゅう)」は、艾(もぐさ)などを燃やして体に熱を与える方法です。灸によって経絡上の気や血液の流れが活性化され、体調が整えられます。
さらに、熱刺激によって血行が促進され、新陳代謝が活発化するため、疲労回復や免疫力向上にも効果があります。

鍼灸治療は、個々の症状や体質に合わせて経絡や経穴を選び、鍼や灸による刺激を施すことで治療効果を得るものです。頭痛や肩こり、ストレスといった一般的な症状だけでなく、消化器系の不調や生理痛、更年期障害などの内臓疾患に対しても鍼灸治療は効果的です。また、鍼灸治療は一時的な症状対策だけでなく、根本的な原因へのアプローチとしても注目されています。

仙台赤門医療専門学校の「鍼灸マッサージ東洋医療科」では、鍼灸治療について詳しく学ぶことができます。鍼灸治療に興味のある方は、ぜひ学科紹介ページもご覧ください。

鍼灸マッサージ東洋医療科について

第57回『美容への新たなアプローチ:鍼灸と美容の関係性を見つめる』

最近、鍼灸治療と美容の関係が注目されています。鍼灸治療は、体調不良の改善に効果があると広く知られていますが、美容への影響についても研究が進んでいるのです。

鍼灸治療は、体内の「経絡」(気や血液の流れ)を調整することで、身体の不調を改善するとされています。
経絡は酸素や栄養素を身体全体に運ぶ重要なルートで、そのバランスを保つことが体の調和に寄与します。この経絡を鍼灸で調整することで、体調不良の改善を目指します。

一方、鍼灸治療が美容へもたらす効果について調査すると、血行を改善し、代謝を促進するという特性が注目されています。
これにより肌のハリやキメが改善され、美肌作りに寄与するとされています。さらに、鍼灸治療にはリラクゼーション効果もあるため、ストレスや不眠の軽減にも役立つと言われています。

美容目的での鍼灸治療には、美容鍼や耳つぼ鍼など、多種多様な手法があります。個々の悩みに合わせて施術を選ぶことができ、鍼灸治療を美容ケアの一部として考慮することをおすすめします。

この新たな美容へのアプローチを、皆さんも一度試してみてはいかがでしょうか。鍼灸治療があなたの美容ケアに新たな風を吹き込むかもしれません。

仙台赤門医療専門学校の「鍼灸マッサージ東洋医療科」では、鍼灸治療について学ぶことができます。詳しくは学科紹介ページからご覧ください。

鍼灸マッサージ東洋医療科について

第56回『鍼灸治療 鍼と灸の相乗効果について』

鍼灸治療

鍼灸治療は東洋医学の代表的な治療法で、鍼とお灸の組み合わせにより、身体の健康維持や不調の改善に役立ちます。
このコラムでは、その相乗効果について説明します。

まず、鍼灸治療における「鍼」と「灸」について簡単に説明しましょう。
鍼は、細くて丈夫な針を身体の特定の点に刺し、筋肉の緊張をほぐしたり、血行を改善する効果があります。
一方、お灸は、ヨモギを乾燥させ細かくしたものを焼いて身体表面を温める治療法で、身体内部を温め、自然治癒力を高める効果があります。

これらを単体で使用することも可能ですが、鍼灸治療の真価は、鍼とお灸を組み合わせて使うことにより現れます。
鍼は、身体の「経路」(気血や神経が流れる道)に沿って刺すことが重要で、この経路に刺激を与えることで、身体全体の調子を整えます。
一方、お灸は表面的な刺激を提供します。このように、鍼とお灸を組み合わせることで、身体を内外から同時に刺激し、治療効果を最大限に引き出すことが可能となります。

ストレスが溜まっていたり、体調を整えたいと考えている高校生の皆さん、学校附属の東洋医学臨床治療所での鍼灸治療をぜひ体験してみてください。あなたの健康とリラクゼーションに貢献することでしょう。

東洋医学臨床治療所について

また、鍼灸治療は仙台赤門医療専門学校のオープンキャンパスでも体験可能です!気になる方は、ぜひご参加ください。

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第55回『未来の東洋医学のプロフェッショナルを育てる!「鍼灸マッサージ東洋医療科」の魅力』

仙台赤門医療専門学校の鍼灸マッサージ東洋医療科

仙台赤門医療専門学校の「鍼灸マッサージ東洋医療科」の魅力には以下のような特徴があります。

1. 専門的な知識と技術の習得
「鍼灸マッサージ東洋医療科」では、鍼灸治療やあん摩マッサージ指圧治療の基礎から応用まで幅広い知識と技術を学ぶことができます。実際の施術技術の習得だけでなく、解剖学や生理学、病態生理学などの専門的な知識も身につけることができます。

2. 実践的なトレーニング
校内には実習室や附属治療所が完備されており、実際の施術を通じて実践的なトレーニングを行います。教員陣は経験豊富な専門家であり、個々の学生に合わせた指導を行います。実習を通じて自信をつけ、将来のプロフェッショナルとして活躍できるスキルを身につけることができます。

3. 就職支援
学生の就職をサポートするためのキャリア支援プログラムを充実させています。卒業後は鍼灸師やマッサージ師としての就職や、自分の治療院を開業するなど、様々なキャリアパスがあります。学校では、就職活動のためのキャリア支援や面接対策などのサポートを提供し、学生一人ひとりの就職活動を支援しています。

4. 充実したカリキュラム
鍼灸マッサージ東洋医療科のカリキュラムは、基礎から応用まで幅広い内容をカバーしています。鍼灸治療やマッサージ治療の理論と実践をバランス良く学ぶことができます。また、東洋医学の基礎や西洋医学の知識も組み込まれており、総合的な医療視点を身につけることができます。

5. 教育環境の充実
仙台赤門医療専門学校は、学都仙台を象徴する文教地区にあり、学生は快適な環境で学び、より良い学習成果を得ることができます。

「鍼灸マッサージ東洋医療科」は、伝統的な東洋医療と現代の医療知識を組み合わせた総合的な学科です。学生は高度な専門知識と技術を学びながら、人々の健康に貢献することができます。
仙台赤門医療専門学校の「鍼灸マッサージ東洋医療科」は、将来を見据えた教育環境とキャリアサポートを提供し、学生一人ひとりの成長と成功を支援します。

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第54回『痛みが出たら接骨院・整骨院に相談してみて!!』<赤門教員コラムリレー>

痛みは日常生活やスポーツなどで、ひねった・打ちつけたなどで急に出たものや、同じ動作の繰り返しにるもの、まちがった動作により出たものなどさまざまでみられます。
また他にも、長時間の同じ姿勢からの急な動き出し、変形・動きの悪さなど持病があるところにわずかな動作にて痛みが出たりなどでもみられます。

接骨院・整骨院においては、それらの痛みの症状を的確に把握したうえで、損傷患部に適応した手技療法、電気・温熱などの物理療法、運動療法を施し、損傷組織の修復を高め、経過を再評価・再処方し早期回復をはかります。 
捻挫・打撲・挫傷(肉ばなれなど)の施療とともに、骨折・脱臼などの応急手当また医師の同意のもと後療を行っています。 
仕事中、通勤途中そして交通事故などによる原因での損傷も早期回復へと施療します。

まずは、いつもと違う痛み、日常生活に支障をきたす痛みがある場合は、早めに接骨院・整骨院に相談してみてください。 

(専任教員) 太田作郎

第53回『肩甲骨はがし』<赤門教員コラムリレー>

第53回赤門コラム_肩甲骨はがし

肩甲骨は一部の骨とは直接関節しているのですが、大部分は骨と直接関節しない珍しい骨の一つです。骨と直接関節しない大部分は筋肉と筋肉の間に包まれ、肩関節の運動の際に大きく関与します。

肩甲骨

また、肩甲骨は大変に可動のある骨でもあります。
例えば、腕を後ろに引いて胸を大きく広げる運動では、背部にある左右の肩甲骨は互いに接近します。反対に腕を胸の前で交差するような動きでは、左右の肩甲骨との距離は離れ、肩甲骨は身体の側面へと移動していきます。他にも肩甲骨の動きは多岐にわたるのですが、ここでは「腕の運動と肩甲骨の動きは連動している」と考えて下さい。

肩が凝るという患者さんの多くは肩上部(肩井というツボが有名)に手をあて、「ここが凝る」と訴えます。同時に、下図のように肩先に指先を付けた体勢で、「肘の先で壁に大きな満月を描いてください」と伝えると、多くの患者さんは小さな半月を描くことになるのです。

肩が凝ることと肩甲骨の動きとの因果関係はおそらく深い仲でしょう。
昨今のPCでの作業では、手首から肘、肘から肩にかけて同一の姿勢が長時間強いられます。そうした長時間の姿勢は、肩甲骨をその場に留まらせ、可動性を落とし、まるで接着剤で体幹部にくっつけた様相です。そうして接着された肩甲骨に付着する多くの筋が凝り固まる事で肩凝りが起こっている可能性が考えられます。
※逆説的に、肩甲骨がよく動く方は肩凝りとは無縁!と、いいたいところですが、実際は言い切ることはできないと思います。肩甲骨が良く動いていても肩凝りの方は多いようです。原因は目や後頚部、歯科・内科疾患などとの関連が考えられます。

話が逸れましたが、「肩甲骨はがし」は「肩甲骨の動きを良くする&可動性を増す」ことだと考えてください。つまり、肩甲骨をはがすことで肩甲骨の動きを良くし、肩甲骨に付着した筋の凝り固まりを取り除く事となります。
手っ取り早い方法は、肩甲骨の内側に指をいれ体幹部から後方・上方・外方あらゆる方向へ肩甲骨を文字通り引きはがしてあげることなのですが、そうした動作は自分自身では不可能ですから施術所・治療所でリクエストしてみてください。

そこで、先述した「腕の運動と肩甲骨の動きは連動している」論を用います。

①手を頭の後ろで組み、顔の前で左右の肘を合わせる。合わせたら今度は肘をできるだけ外側に開く。こちらを10回行ってください。
②今度は手を腰の位置で組んで、そのまま腕を上下にゆっくり振ってください。20回程行います。
③右腕をカズダンス(前にまわします)、左腕を背泳ぎ(後ろにまわします)のようにして、左右の腕を10回ほどぶん回してください。最初は片側ずつ、慣れてきたら左右同時に行ってみてください。10回まわしたら今度は反対回しになります。
※手や腕を周囲にぶつけないように注意して行ってください。

これらの運動のポイントは肩甲骨の動きを意識して大きく動かすよう心がけることです。

肩が凝るような症状がある方はここで紹介したものを実践してみましょう。あまりに凝り固まっている場合・運動を行ってもなかなか改善しない方、施術所・治療所などにご用命いただくのもオススメです。

(学科主任兼臨床所主任)國分俊繁

第52回『筋膜リリース』<赤門教員コラムリレー>

第52回赤門コラム

悪い姿勢や、同じ作業を繰り返すなどの偏った動作を長時間続けていると、不必要な負担がカラダの一部分に集中して筋肉が固まり、それにともなって筋膜も自由度を失います。そうなると筋膜はよじれてこわばり、筋膜の上にある皮膚と筋膜の下にある筋肉がそれぞれ動きづらくなります。

つまり、ひとつの筋肉を包む筋膜に問題が生じると、その上にある全身の筋肉を包む筋膜に波及し、筋膜のつながりを介して他の筋肉へ問題が伝播していきます。

その結果、その配列上のすべての筋膜の動きや働きに影響をおよぼして十分な筋力を発揮できなくなり、柔軟性も悪くなって、スポーツではパフォーマンスの低下を引き起こします。そのことが、ひいてはケガを引き起こす要因ともなります。

また、そうした筋膜のよじれやこわばりは、カラダのこりやはり、痛みの症状にあらわれます。この筋膜の機能異常の厄介な点は、その異常を他の部分でかばおうと代償を生じさせること。ある部分の筋膜のよじれやこわばりが深筋膜から広範囲に広がってしまうことで筋膜自体が自力でほぐれることができなくなり、正しい姿勢や動作が制限されてしまうのです。

筋肉がスムーズに動くためには、筋膜の滑りの良さが必要です。「筋膜リリース」を行うことにより、筋肉の柔軟性を引き出し、関節の可動域を拡大します。

リリースとは「制限を解除する」「解きほぐす」という意味を持つ言葉です。つまり「筋膜リリース」とは、筋膜の委縮・癒着を引き剥がしたり、引き離したり、こすったりすることで、正常な状態に戻すことを言います。筋膜リリースがときに「筋膜はがし」と翻訳されて呼ばれる理由もここにあります。

筋膜は、筋肉を包んでいる膜で、身体全体にはりめぐらされています。筋線維や器官、神経などとも連結していて三次元的に全身を覆っており、第二の骨格とも呼ばれています。

筋膜は層になっており、すべての筋組織はお互いに滑りあうように動きます。筋膜には筋肉を保護する作用や筋収縮時の滑りを助ける作用などの機能があります。

筋膜に機能異常がみられると、本来はサラサラの水溶性の基質が粘度の高い状態になり、筋膜全体の滑りが悪くなります。また、筋膜は全身につながっているので、ほかの筋肉や筋線維にまで動きの悪さが波及し、痛みや筋力の低下、柔軟性の低下、運動パフォーマンスの低下、日常生活動作の低下がみられるようになります。

非対称な姿勢や動作をとり続けることや同じ姿勢を長時間とり続けること、怪我などによって身体の一部に負担がかかり、身体がアンバランスな状態となると筋膜が自由に動けない状態になります。すると筋膜のよじれが生じて筋膜と皮膚・筋肉との間の滑らかな滑りが失われます。

「筋膜リリース」を行うことにより、筋膜のねじれやよじれが元に戻ると、筋肉や筋繊維を包む筋膜に柔らかさと弾性が復活し、筋力が正しくスムーズに動くようになります。

(専任教員)小原賢

第51回『訪問マッサージ』<赤門教員コラムリレー>

第51回赤門コラム
一つは、自費で医療保険を使わず、マッサージ師が自宅等に訪問して、凝りや疲れなどに対して行うものです。
もう一つは、歩行などが困難なために、治療院に通院することができない人に対して、マッサージ師が自宅などに対して訪問し、マッサージを行うものです。

今回は、歩行などが困難な人に対して行うことについて述べていきます。

対象となる方は、目的としては、関節の動きや疼痛の改善による動作機能の回復、対象となる状態は、寝たきりや歩行困難で通院ができない人、これらの方々に対して、あん摩マッサージ指圧師が行う施術となります。

保険は、医療保険が適用されますが、これには、医師の同意書(診断書)が必要となります。

該当する病状は、筋麻痺、筋萎縮、運動機能障害などで、その原因となる疾患で、治療の対象者として来るのは、脳血管障害後遺症(脳梗塞、脳出血)が半数以上で、次に、脊髄、脳変性障害、パーキンソン症候群などがあります。その他に、リウマチによる拘縮、脊柱管狭窄症による歩行障害、寝たきりなどで、日常生活が困難な状態にある人です。

これらに対して、制限されている関節可動域の拡大、筋力の増強などを行っていき、症状の改善を目的にして行きます。

訪問マッサージと似ているものに、訪問リハビリがあります。

訪問マッサージは、目的は、関節の動き、疼痛の改善、運動機能の回復など、対象者は、歩行困難や寝たきりの方で、通院ができない人、提供者は、あん摩マッサージ指圧師、適用される保険は医療保険のみです。

訪問リハビリは、目的は、要支援者、要介護者で、日常生活をしやすくするために行います。提供者は、理学療法士など、適用される保険は、介護保険、医療保険(介護保険が優先)です。疾患の種類は65歳以上では問いません。医師の指示書または、診療情報提供書が必要になります。

(専任教員)糟谷俊彦

第50回『高齢者の方のための膝のテーピング』<赤門教員コラムリレー>

第50回赤門コラム

【はじめに】

高齢者のスポーツ参加が増えている。このシリーズで述べてきた通り、世界的にスポーツの社会における存在価値は高まる一方である。その形式は、「プロ、アマのアスリート・サポーター・観戦・等々」、受動、能動いろいろであるが、スポーツ活動に参加する人々が増加しているのは間違いない。

今更であるが、スポーツの価値をあらためて考えてみるとWHOの健康の定義にもあるように「肉体的」のみならず「精神的」なものも含めた健康増進への貢献があげられる。「アスリート」、「観戦」、「趣味」等、参加形式は様々だが、いわゆる「ケガ」「障害」への対応のみならず『人としての生きがい』対応が求められている。

前回も述べたが、伝統医療(柔道整復・鍼灸・あん摩・マッサージ・指圧)の精神面を含めた全人的な把握と、それに対するコンディショニング、リハビリ施術は、そんな中で「ケガ」「障害」だけではない精神的に鬱した状態になった場合でも、有効な結果を上げることができているケースが多い。
西洋医学と伝統医学の特徴をそれぞれ生かすことで、選手への更に多方面な、緻密なコンディショニング、リハビリが可能となると考えていることをアクセスいただいている皆様に、まず始めにご理解いただき話を進めていきたい。

【膝の特徴について】

テーピングの話の前に膝について基本なことを述べる。

膝関節には、体重を支持し安定性を保つという働きと、運動を行う可動性という矛盾した働きが常に要求されている。

関節にかかる力は起立時には体重分であっても、屈伸時には体重の数倍(膝蓋大腿関節の場合、最大約7倍との報告がある。)になり、関節に強い負荷がかかる。
その膝関節を伸展するのは主に大腿四頭筋であり、その協同腱は種子骨である膝蓋骨を包み、さらに膝蓋靭帯(膝蓋腱)となって脛骨粗面についている。

この大腿四頭筋―膝蓋骨―膝蓋靭帯―脛骨粗面は膝の伸展の重要な組織であり、この一連の組織は膝伸展機構あるいは膝伸展装置(extensor apparatus)とよばれている。膝伸展機構の各組織には、膝伸展(ランニング時やジャンプ時など)や屈曲に対する抵抗時(着地時など)にはきわめて大きな負荷がかかるので、損傷や障害を起こしやすい。

【高齢者の膝の特徴】

ランニングなど下肢に過重負荷が加わるスポーツでは関節痛や関節の腫脹が発生しやすい。

変形性膝関節症では、大部分で内側の関節軟骨の摩耗により内側関節裂隙が狭小化しO脚変形(内反膝)が進む。
50歳以上の人口のうち、男性では50%前後、女性では70%にX線上で変形性膝関節証の変化がみられると報告されている。内反膝では荷重時の内反トルクが高くなり、ますます内側の関節軟骨の摩耗を助長されることになる。

外側楔足底版は下肢の荷重軸を外側に移動させることでこのような悪循環を断つと考えられている。軽症例では進行予防の目的で歩行時や運動時に使用する。
中等度以上の変形性膝関節症に対してはランニングのような過重負荷の加わるスポーツは望ましくなく、自転車や水泳が薦められる。

理屈はともあれ、日常生活を円滑に営むには、姿勢保持や種々の動きが可能となる筋力が必要である。特に歩行は活動範囲(行動範囲)に大きく影響するので、下肢の運動能力・筋力が重要である。それゆえ、下肢に関しては膝伸展筋力が注目され、その加齢変化が研究されており、加齢と共に減少していくという研究結果が出ている。

筋力の低下は筋線維の萎縮にともなって起こるが、この筋委縮は運動によって抑制されることが報告されており、筋を使わないでいると萎縮が強く起こり(廃用性萎縮)、使えば萎縮が起こりにくいことが明らかになっている。
このことは、変形性膝関節症などにより膝痛のために歩行を避けていると大腿四頭筋やハムストリング(大腿後側の屈筋群)等の指示筋の萎縮が進行し、膝関節の支持力が低下して膝の病変をますます悪化させてしまうことを裏付けている。

したがって、歩行能力を維持・増進するためには、筋力を維持・増強させる方策が必要であり、我々は鎮痛や運動療法(筋力訓練)のスムースな遂行のためにも鍼灸治療やテーピングを応用することが有効だと考えている。

以上を理解した上での膝のテーピングについて説明をしたい。

下記シェーマはテーピングによる膝関節の操作とテーピングの実際である。これらの組み合わせで、その人にあった処方、固定法となる。本来はこれらの操作方法、固定方法をマスターしてからの実施が理想で好ましいが、それが大変な方には筆者の方法をお勧めしたい。

筆者の方法は軽度な症状の方が対象である。使用するのは伸縮性テープである。

【テーピングによる膝関節の操作】

(膝スポーツ障害の理学療法から紹介)
テーピングによる膝関節の操作

【テーピングの実際】

(膝スポーツ障害の理学療法から紹介)
テーピングの実際

【テーピングの一例】

スポーツイベント参加の際、膝をサポートするための筆者考案の一例をここにあげる。

①上下にアンカーのテープを貼る。(白)
②アンカーテープに重なるように、下からスプリットを入れたテープを膝蓋骨にかからないようにY字状に優しく貼る。(赤)
③アンカーテープに重なるように、上からスプリットを入れたテープを膝蓋骨にかからないように逆Y字状に優しく貼る。(青)
④前方は膝蓋骨にかからないようにし、両脇に移行した部分は関節裂隙(関節の線)を覆うようにして優しく貼る。

テーピングの一例

(専任教員)亀井啓

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