お知らせ

第20回『柔道整復師による整復の凄さ!』<赤門教職員コラムリレー>

柔道整復の凄さ

柔道整復師は、日常におけるケガ、スポーツによるケガなど骨折・脱臼・捻挫・打撲・挫傷などに対し、手技により自然治癒力を引き出す施療していくスペシャリストです。

「柔道整復学・理論」として骨折・脱臼・軟部組織損傷などの外傷・障害を学び、「柔道整復学・実技」として損傷に対しての整復処置、固定、後療を施し早い社会復帰させることを学んでいます。

柔道整復師は問診、視診、触診、計測、検査など、「手」によって状態を把握し、骨折、脱臼においては応急処置として変形を整復・固定し、疼痛を軽減できます。

スポーツ現場での応急処置、災害時での救護など医療診察機器のない状況においても、柔道整復師は日常におけるケガと同じように処置できる強みがあります。

現在は国家資格を取得後、開業、病院勤務、接骨院・整骨院勤務、スポーツトレーナー・救護、介護のケアマネージャー・機能訓練指導員、柔整学校専科教員などに様々な分野において活躍しています。

(専任教員) 太田作郎

第19回『スポーツと鍼灸』<赤門教職員コラムリレー>

鍼灸治療はスポーツの世界でも多く取り入れられています。怪我をした時、疲労回復のため、怪我予防のケアをするのがアスレティックトレーナーですが、この職種は鍼灸の資格を持ちながら活躍している人が多く、たくさんのプロアスリートが鍼灸治療を受けていると言われています。実際テレビ番組でアスリートの密着取材を見ると、チームのトレーナーや治療院で鍼灸治療を受けている様子を見ることが多々あります。

また、フィギュアスケートや大相撲などのトップアスリートが“貼る鍼”を使用しながら競技をしている様子はインターネット上で確認することができます。この貼る鍼は「円皮鍼(えんぴしん)」と言われ、画鋲状の短い鍼で、最近はテープ付きのものが広く使われています。鍼灸師指導のもとであれば、一般の方でも自分の体に使用することができ、自宅でのケアや競技前のセルフケアの一環として使うこともできます。円皮鍼は、持続的な刺激を与えることができるため、競技時の筋痛・筋疲労に効果があると言われており、また疼痛にも有効とされています。

鍼灸治療と聞くと、鍼治療のイメージが強いかもしれませんが、灸も多く用いられているようです。治療院などでは鍼刺激と共にお灸を行う「灸頭鍼(きゅうとうしん)」をする先生もおり、某女子サッカーチームのトレーナーさんは、灸を多く使っているということでした。
昨年日本で「世界国会議員ラグビーワールドカップ2019」(9か国の国会議員で構成するチームの対抗戦と親睦を兼ねた大会)が開催され、9名の鍼灸師が2日間で100名を超える選手に鍼灸ケアを行っています。アスリートにとって体をケアするために鍼灸が欠かせないことがわかる数字ではないでしょうか。

本校の入学希望者の中には、トレーナーを目指す学生はもちろん、トレーナーの勉強を他の専門学校や大学でした後に入学する学生、実際にスポーツの現場で働いてから、やはり鍼灸の資格が必要だと感じて入学する学生もいます。

(専任教員)高橋はるか

第18回『ママとベイビーのための東洋医学(妊婦編)』<赤門教職員コラムリレー>

仙台発祥の操体法について、述べていきます。
これは、橋本敬三先生(医師)が、人間の身体に合った動きについて、体系化されたものです。

操体法には、基本行動があり、それは、自分で行わなければならないものが4つあり、呼吸、飲食、神経活動、身体運動です。それらに環境との関わりがあります。

呼吸は腹式呼吸で行い、身体運動は、操体法では、無理せず、動きやすい方に動くようにします。飲食、精神活動に関しては、個々の考え方がありますので、それぞれの考えで行ってもらった方が良いと思います。

操体法の操作は、腹式呼吸で楽な方に動かしてもらい、少しタメ(相手がいる場合は抵抗)をつくり、息を吐くと同時に瞬間脱力をすることで、筋等を緩めて行き、身体の調整を行っていきます。

妊娠による、腰痛、便秘に対する自己操体法について述べていきます。

①タメを作るための抵抗には、枕や座布団などを置いて行うようにします。相手がいる場合は、操作をしてもらい抵抗を与えてもらって下さい。
仰臥位で両膝を立て、足背を上げて行き、息を吐くと同時に急の力を抜くと同時に脱力する。(両膝の裏・ひかがみ(膝窩)の圧痛を見てから行うが、わからない場合は見なくとも良い。)

②片方の膝を立て、内側、または外側に倒し、楽な方に倒し息を吐くと同時に急に力を抜
いて脱力する。反対側も試す。
膝を立て、左右に倒し、楽な方へ倒し、息を吐くと同時に急に力を抜いて脱力する。

③骨盤を左右に動かし楽な方へ行い、息を吐くと同時に急に力を抜いて脱力する。
盤を左右上下に動かし楽な方へ行い、息を吐くと同時に急に力を抜いて脱力する。
骨盤を頭方、足方に動かし楽な方へ行い、息を吐くと同時に急に力を抜いて脱力する。(片方の足を伸ばすことにより、伸ばした方の骨盤が足方に、反対側の骨盤が頭方に動く。)

操作をしてくれる相手がいる場合は2~3回、一人で行う場合は、3~5回行います。一人で行う場合は、倒す側に、枕か座布団等を置いて、それに倒す側を押し付け、抵抗の代わりにします。
これらの操作の内、どちらも楽な場合は、その操作を省いてもいいです。

(専任教員)糟谷俊彦

第17回『柔道整復師の求人』<赤門教職員コラムリレー>

柔道整復師の求人には、接骨院・整骨院などの治療院、整形外科などの医療施設、機能訓練指導員としてデイサービスセンターなどの介護・福祉分野、スポーツ分野への就職先があります。

それぞれの就職分野別の仕事内容としては、接骨院・整骨院では、骨折・脱臼・打撲・捻挫・挫傷(筋腱の損傷)に対し折れた骨を元の場所に戻す整復・包帯やテーピングなどによる固定や干渉波や超音波などの物理療法、・手技療法などの後療等を行います。

整形外科などの医療施設では医師の指示のもとリハビリなどを行います。

デイサービスでは、高齢者の機能回復、向上を目指して運動療法など機能訓練を行います。

スポーツ分野では医療系の国家資格をもったスポーツトレーナーとして、現場での応急処置をはじめケガの治療・予防のためのテーピングなどを行います。

就職先を選ぶ際には、在学中から様々な分野を調べ、実際に見学などをして、自分がどの分野に興味があるか、また将来開業したいなどの目標があるかなどによって、就職先が決まってくると思います。

採用にあたっては、書類選考、面接の所もあれば、さらに知識を問う試験などを実施するところもあります。

在学中には知識はもちろん、面接を受ける際に必要な礼儀なども身につけてもらいたいと思います。

(学科副主任兼教務副主任)石垣寛高

第16回『ママとベビーのための東洋医学①』<赤門教職員コラムリレー>

東洋医学の元本が作成されたのは4000〜5000年前と言われています。当たり前ですが、その時代にもママとベビーが存在しました。そしてママである親の思いは「我が子が健やかに成長してくれること」でした。どの時代でも同じですよね。

そしてベビーにその思いを伝えるためには、ママとベビーの距離の近さが重要であることが分かっています。具体的には、ママがベビーに授乳するとき、ベビーと見つめ合う顔の近さです。
ベビーはママから見つめられることで安心しますし、安心することはベビーの成長にも大変重要です。また授乳しているママも、ベビーを見つめることで幸せホルモンであるセロトニンが分泌されます。これは密にベビーと接しているママの特権ですね。

では授乳機会の少ないパパはどうでしょう?パパが我が子を見つめる機会は、ママと比較すると少ない場合が多く、幸せホルモンが分泌されるチャンスも逃してしまいがちです。
そこでママにお願いです。パパにも幸せになるチャンスをどんどん分けてあげてください。
ママは授乳をパパに抱っこでやらせてあげてたり、パパはママから授乳姿勢・赤ちゃんの支え方などを教えてもらったりするといいでしょう。

ベビーのお世話をしてみると分かるのですが、授乳や入浴をするときの姿勢って結構きついんです。
特に起こりやすいのは親指根元の腱鞘炎。腱鞘炎は手首の角度に無理がある状態で指に力を入れるとすぐに起こります。大事なベビーを扱うのですから無理もしてしまいがちです。
子育てに大忙しのママとパパにとって、指が痛くて動きが自由にならないのは困りますよね。

最新の研究成果のひとつに、母指腱鞘炎は肘から先の腕を力を入れたり抜いたりしながら、内・外に回す運動をすることで早く治る事が分かっています。
出産と子育ては大仕事です。特に授乳機会の多いママは要注意です。無理をせずに楽しく幸せに過ごしてくださいね。

(専任教員:吉本豊)

第15回『マッサージ効果[ハンド]』<赤門教職員コラムリレー>


私たちの所有する国家資格では手技療法を「按摩」「マッサージ」「指圧」と分けて表現しています。その中で言われる「マッサージ」は、「皮膚に直接、滑剤を用いて求心性に施術を行うもの」と定義付けられています。

そのため他の手技療法に比べると
①血液やリンパの流れを良くする。
②オイル等の滑剤による保湿効果。
といった点に特徴があります。

マッサージは全身に行う事が多いですが、ハンドマッサージや足裏マッサージ等は、部分的に滑剤を用いてマッサージをする方法です。
手や足裏には全身に関連する反射帯が存在し、コリや押された時の痛みとして現れます。部分のマッサージであっても、やり方によっては全身に働きかける事ができます。

インド伝統医学のアーユルヴェーダでもオイルマッサージは推奨されており、セルフでのオイルマッサージも良いとされています。特に頭・耳・足首から先の3か所へのマッサージを推奨しています。これらの部位は老廃物が溜まりやすい所とされ、そこにオイルマッサージをする事で皮膚の深いところの汚れを取り除く事ができます。

また、アーユルヴェーダでは3種類の体質に合わせてオイルの種類や分量の選択を行う事で、より効果的なオイルマッサージを行います。少し紹介させて頂くと、やせ形で乾燥肌のヴァータ体質者には最もオイルマッサージが良いとされます。ゴマ油が最も良く、身体を温める効果に優れます。筋肉質で体温の高いピッタ体質者は冷やす性質のオイルが良いとされ、ココナッツオイル等が良いと言われます。肥満傾向でむくみやすいカファ体質者はオイルマッサージをあまり推奨されません。水が溜まりやすい体質者に重い液質のオイルはあまり合わないのです。使うとしても少量で良いとされます。

このように、人の体質に合わせた滑剤を用いてマッサージをする事で、より効果的なマッサージを行う事ができるのも、マッサージの特徴です。

(専任教員)三保翔平

第14回『柔道整復ってなに?』<赤門教職員コラムリレー>

 柔道整復師が行う治療のことを柔道整復術といいます。柔道整復術は骨折・脱臼・捻挫・打撲・挫傷などのケガによって生じた骨・筋肉・関節・靱帯など損傷した運動器に対して『整復』『固定』『後療法』の施術により治癒を図ることを目的としています。治癒といっても単なる痛みや損傷部位の回復だけではなく、re(再び)+ habilis(適した)、負傷する前の『本来あるべき状態への回復』というリハビリの要素も含めた治療が柔道整復の特徴でもあります。

 先にあげた骨折・脱臼については医師の同意があれば保険適応となり、急性の捻挫・打撲・挫傷については医師の同意なしでも保険適応になります。慢性痛の治療や慰安を目的とした施術に関しては保険外になりますので患者と施術者との間で保険適応の是非の確認が必要になります。

 柔道整復術を行う接骨院(整骨院)での勘定は病院などとは異なり、療養費としての扱いになります。療養費は通常、患者本人が窓口で全額を支払い、後日、保険者に申請し所定の額が払い戻されるのが原則です。接骨院(整骨院)では『受領委任制度』により一般の病院などと同じように保険証の提示と一部負担金により、施術を受けることができるようになっています。近年、「はり」「きゅう」の施術でも、この『受領委任制度』の取り扱いが始まりました。我々はいま一度この制度の趣旨を確認し、医療保険制度の一員としての自覚を持つことが今の時代の柔道整復師・鍼灸師に必要な資質であると思います。

(学科主任兼臨床所主任)國分俊繁

第13回『美容鍼灸とは?』<赤門教職員コラムリレー>

 昔から洋の東西にかかわらず、「美しい体・美しい肌」でありたいと想う気持ちは万人共通するところです。

 容姿の美とは、外見から均整のとれたプロポーションであり、それらは余分な皮下脂肪を取り除き、適度に発育した筋肉の躍動する曲線と真っ直ぐに伸びた正しい姿勢は、立座りや歩行も自然と美になります。しかし、肥満からくる腰痛、膝痛また丸めた背腰は内臓の圧迫により、様々な疾患など作りだします。また逆に内臓の異常(東洋医学では内邪)が正しい姿勢を変えて居ることもあります。

 また皮膚の美とは、顔だけのことではなく、全身が同じ皮膚で包まれており、これらに鍼灸を施こすことにより気血の流れを良くし、皮膚表面が皮脂と汗とで適当にシットリとした輝や張りをもたらしてくれるのです。

 これらを阻害するものは、外界の厚さ寒さ湿気、乾燥、気温気圧の変化(東洋医学では外邪)に敏感で、体表より受ける刺激に対して常に反応して内部(臓腑)へ及ばないよう調節しています。

 また内部に異常があると「皮膚は内臓の鏡」とも伝われ、すぐに皮膚へ反映し、吹出物やカサツキのほか便秘、不眠、冷え、ストレスなど色々な症状からも、肌にツヤや張りがなく体調も歪みを起こし、お化粧のノリも悪くなります。

 鍼灸を体に施こすことにより体調の改善に導くことになります。

 美容鍼灸とは、単なる美(装)だけを求めることではなく、外邪を防ぎ内臓腑を整え、また同様に耳鍼は反射区を活用し、顔へは皮膚と一体である表状筋への新陳代謝を促し、結果的に心身共に健康を保つことで本当の美しさが作り出されます。これが美容鍼灸の真髄です。

 全身を調え美しさも保持する鍼灸は、まさに一挙両得の施術ではないでしょうか。

(専任教員)安齋昌弘

第12回『マッサージ効果〝むくみ″』<赤門教職員コラムリレー>

「朝起きたら瞼や顏がはれぼったい、夕方になるとふくらはぎが張って靴がなんだかきつくなったみたい」などという症状はありませんか?

むくみは腎臓や心臓の病の症状として現れますが、健康人でも疲れや運動不足、またストレスが原因でも現れます。
東洋医学では、むくみは水分代謝の失調によって体内に水分があふれている状態と考えられています。

水分のめぐりが悪くなり体内に蓄積したものを痰飲(たんいん)と言います。痰飲は体内にしつこく停滞する性質があり、気血の流れを妨げます。そうするとむくみのほかに、食欲不振、関節痛、肌荒れなどを伴ったり、人によっては冷えや疲れを感じたりするという方もいらっしゃいます。

むくみは手足や顏に現れることが多いのですが、東洋医学では内臓の働きの低下によって現れると考えられています。ですので顔や手足だけにマッサージを行っても根本的な解決にはなりません。

赤門では臨床実習にてその日の患者様の状態に応じて、オーダーメードのマッサージ施術を行っています。むくみがある所だけでなく身体全体を癒すマッサージはおすすめです。

夏の疲れが出始め、そして寒くなって体力や免疫力が落ちる前の養生としてマッサージ施術をご体感下さい。

(専任教員)宍戸新一郎

第11回『接骨院 整骨院 整体の違い』<赤門教職員コラムリレー>

「接骨院」、「整骨院」、「整体」、「整形外科」、自分がケガをした場合や体の不調があった場合、どこで診てもらおうか迷ったことはないでしょうか。

まず「接骨院」と「整骨院」は感じが違うだけで同じ扱いで、「柔道整復師」という国家資格を持っています。主に骨折・脱臼・打撲・捻挫・挫傷(肉離れ)の損傷に対し保険を適用し、施術が可能です。

「整体」は国家資格ではないため保険は適用できません。リラクゼーション(癒し)や骨格の矯正などが主な目的とされていますが、明確な定義はありません。他にも国家資格を必要としないものとして、カイロプラクティック、リフレクソロジー、フットケア、エステなどがあります。

「接骨院」「整骨院」で働く方々は、「柔道整復師」という国家資格を所得しています。「整体」で働く方々は、素人でもいいわけです。但し、「接骨院」「整骨院」で働く方も技術的に未熟な方もいますし、「整体」にも高度な技術を持つ方もいます。

では、「接骨院」「整骨院」と「整形外科」は、どう違うのでしょうか。ご存じの方も多いと思いますが、「接骨院」「整骨院」は代替医療です。整復、固定、後療法(手技療法、運動療法、物理療法)を中心とした施術を行います。場合により機器類を使用しますが、レントゲンなどの医療機器は使えません。

「整形外科」は医師の診断に基づき、検査や投薬、外科手術などの医療行為が行われます。どこか痛いところがあった時に、他の病気も疑いつつ診察できるため、重大な病気を見落とすことが少なく、その点では安心です。

次に「接(整)骨院」、「整形外科」、どちらに行けばいいのか。一概には言えませんが、大きく患部が腫れていたり、痛みが激しかったりする場合は、まず整形外科で診察を受けるべきでしょう。その他、捻挫や打撲などで、痛みの態度がそこまで強くない場合には「接(整)骨院」がいいと思います。

症状やケガの程度から、どちらで治療を受けるのかの判断で早期回復にもつながるため、しっかり見極めるようにしましょう。

(専任教員) 小原賢

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