第51回赤門コラム
一つは、自費で医療保険を使わず、マッサージ師が自宅等に訪問して、凝りや疲れなどに対して行うものです。
もう一つは、歩行などが困難なために、治療院に通院することができない人に対して、マッサージ師が自宅などに対して訪問し、マッサージを行うものです。

今回は、歩行などが困難な人に対して行うことについて述べていきます。

対象となる方は、目的としては、関節の動きや疼痛の改善による動作機能の回復、対象となる状態は、寝たきりや歩行困難で通院ができない人、これらの方々に対して、あん摩マッサージ指圧師が行う施術となります。

保険は、医療保険が適用されますが、これには、医師の同意書(診断書)が必要となります。

該当する病状は、筋麻痺、筋萎縮、運動機能障害などで、その原因となる疾患で、治療の対象者として来るのは、脳血管障害後遺症(脳梗塞、脳出血)が半数以上で、次に、脊髄、脳変性障害、パーキンソン症候群などがあります。その他に、リウマチによる拘縮、脊柱管狭窄症による歩行障害、寝たきりなどで、日常生活が困難な状態にある人です。

これらに対して、制限されている関節可動域の拡大、筋力の増強などを行っていき、症状の改善を目的にして行きます。

訪問マッサージと似ているものに、訪問リハビリがあります。

訪問マッサージは、目的は、関節の動き、疼痛の改善、運動機能の回復など、対象者は、歩行困難や寝たきりの方で、通院ができない人、提供者は、あん摩マッサージ指圧師、適用される保険は医療保険のみです。

訪問リハビリは、目的は、要支援者、要介護者で、日常生活をしやすくするために行います。提供者は、理学療法士など、適用される保険は、介護保険、医療保険(介護保険が優先)です。疾患の種類は65歳以上では問いません。医師の指示書または、診療情報提供書が必要になります。

(専任教員)糟谷俊彦