お知らせ

第32回 腰痛と向き合ってみませんか。<赤門教員コラムリレー>

▼腰痛は国民病
厚生労働省が毎年実施している「国民生活基礎調査」において、3年に1度、健康に関する調査も行っています。その一項目に「自覚症状の状況」(複数回答)があります。
最新の調査結果(2019年)、もっとも多い自覚症状は「腰痛」(男性で1位、女性では2位。女性の1位は肩こり。過去の調査も同様)でした。

▼腰痛の診療は難しい
腰痛の最新の診療の指針として『腰痛診療ガイドライン2019改訂版』(監修:日本整形外科学会、日本腰痛学会)があります。この序文で「腰痛診療は,未だ『発展途上』と言っても過言ではない.」と述べています。
腰痛の原因は多種多様で心因性のものもあり、「腰椎から脳にいたるあらゆる部位で様々な病態が関与」し、原因不明なものは「未確立の疾患群を詰め込んだ症候群であり、未だ検討の余地が残る」との記載からも腰痛の診療は難しい領域であることが伺われます。

▼腰のために自分でできること
上記ガイドラインに日常生活における留意点の記載がありましたので列挙します。

1.腰痛予防のための
①健康的な体重の管理
②適正飲酒と禁煙
③日常的な運動習慣
④穏やかでストレスが少ない生活

2.腰痛の悪化を防ぐには
①急性腰痛(自然に軽快することが多い)の回復には安静よりも活動維持が良い
②慢性化の防止が大切(慢性腰痛は治りにくい)
③心理社会的要因(うつや精神的ストレスなど)は腰痛を長引かせ、治療効果にも影響を与えるので注意
④身体的・精神的に健康な生活習慣は腰痛の回復に良い影響を与える

▼腰痛に悩まない日常のために
東洋医学では人体を小宇宙と仮定し全身の調整を行います。これは心理面への効果も期待され、前述の腰痛の予防・悪化防止の生活習慣にも良い影響を与えます。
腰痛の中には危険な原因によるものもあります。そのような徴候がみられるときは専門家の受診を提案いたします。
腰痛の症状があっても放置している人が多く、幸福度にも影響を与えているようです。幸福度を上げるためにも、東洋医学の門を叩いてみてはいかがでしょうか。

(専任教員)長岡靖彦

第31回 筋肉痛2<赤門教員コラムリレー>

『にわかアスリート』になった方、久々の運動がたいへん心地良くつい運動量を増やしてしまい、翌朝以降、全身の筋肉痛で目を覚ますという辛い朝を迎えた経験を持つ方も多いのではないでしょうか。

筋肉痛には、運動中から発生する『急性筋肉痛』と、運動後、一定の時間が経過してから症状が生じる『遅発性筋肉痛』があり、多くの方が体験するのはまさに『遅発性筋肉痛』です。

この遅発性筋肉痛が生じるメカニズムには様々な説がありますが、多くは不慣れな運動や自身の体力以上の運動を行うことで、筋肉が過度に収縮を繰り返し、筋組織や周辺の組織が損傷、さらに痛みを感じる物質等が加わり炎症が起こり、運動後、数時間から数日後に痛みが生じるものです。

そこでこの痛みを少なくするため、または筋肉に損傷を起こさないためにも筋肉の動かし方に1つのポイントがあります。
運動中の動きには、
1)重い物を持ち上げる(筋肉が縮んで力を出す)
2)重い物をゆっくり降ろす(力の入った筋肉が伸ばされながら動く)
3)筋肉にグッと力を入れるだけ(関節は動かない)
があります。この中で、注目したいのは、2)の重い物をゆっくり降ろす、伸張性収縮です。

この筋肉が伸ばされる動きは、筋線維への負荷が大きくトレーニング効果を出すための重要なポイントですが、強すぎると筋損傷や筋肉痛を発生させる大きな原因の1つと言われています。ダンベルを握って持ち上げる運動であればそこからダンベルを下ろす動き、ジョギングであれば坂を下るときに無意識に行っているブレーキをかける動き、この動きが要注意ということです。

運動中、無意識に行っていた伸ばされているときの動き方やブレーキ動作を意識し、無駄、無理のないフォームなのか等、一連の動作をゆっくり観察される時間を取ってみてはいかがでしょうか。フォームのチェック、そして関連する筋群の補強運動やストレッチングを行うなど、いつも無意識に行っていた運動の中に新たな気付きや楽しさが出てくること、そしてこれらが筋肉痛軽減の1つになるかもしれません。

残念ながら発生してしまった筋肉痛に対しての基本的な処置は安静や冷却ですが、症状によっては温める場合、動作に支障をきたす痛みでは固定が必要になることもるので、このような場合には、お近くの接骨院(整骨院)を受診されて適切な治療を受けて下さい。治療と合わせ、自身に適する運動方法について相談されてはいかがでしょうか。

健康維持のためにも運動は楽しく、そしていつまでも続けたいものですね。

(学科主任兼学生支援主任)高橋武彦

第30回 筋肉痛<赤門教員コラムリレー>

一般に「筋肉痛」とは、運動した翌日以降に筋肉が痛む「遅発性筋痛」を指します。
しかし、医療での「筋肉痛」は一般のそれとは異なります。
様々な疾患による全身性のものと、物にぶつかったりトレーニング後に生じる局所性とに大別されます。
全身性筋痛の原因としては、感染症、リウマチ性疾患、循環障害、内分泌疾患などがあります。風邪やインフルエンザなどの時に筋肉が「痛い」という経験はないでしょうか?これも「筋肉痛」といえるのです。
このように一言で「筋肉痛」といっても様々な原因が考えられます。

今回は、トレーニング後に生じる「遅発性筋痛」についてお話しをしたいと思います。

「遅発性筋痛」の原因 ※1
トレーニングでの負荷(時間・回数・強度など)により、筋線維が損傷を受けることで炎症を引き起こし、「筋肉痛」が発生します。そして、筋線維は回復すると以前より少し太くなります。ただし、「筋肉痛」が起きなくても、筋肉に刺激(トレーニングなど)を与えることにより筋肉は強くなります。

「遅発性筋痛」の予防について ※1
運動をする前に筋肉のエネルギーとなる、タンパク質を取ることが重要です。また、水分摂取も重要です。水分が少ないと血液循環が悪くなり細胞に酸素や栄養が行きわたらなくなるからです。それと睡眠をしっかりとりましょう。
運動で損傷した筋肉を修復してくれます。
最後にトレーニングによる「筋肉痛」の予防には、トレーニング前後のストレッチと軽い運動が重要です。「痛い」からと、寝ていると血流循環が悪くなり、治るのが遅くなります。そのため、ウォーキングなどの軽い運動をして損傷した筋肉に栄養などを送り、回復の手助けをすることが重要です。

「遅発性筋痛」と鍼灸 ※2
鍼灸施術には血液循環を良くする働きがあります。トレーニング後に鍼灸施術を受けることにより、鍼で刺激された局所では筋肉の緊張を緩和し、血流を改善できます。

参考資料
※1 大正製薬ダイレクト 健康お役立ち情報 健康コラム
https://www.taisho-direct.jp/simages/m/contents/column/body/cure02/
※2 株式会社医道の日本社 はりきゅう理論 第1版 第9章鍼灸治効の基礎

(専任教員)古川雄一郎

第29回 スポーツ外傷<赤門教員コラムリレー>

赤門コラム

スポーツ外傷とは、転倒・衝突などの外力により組織が損傷されることで「ケガ」に当たります。

外力としては、競技中の衝突による打撲のような「直接的な外力」、ジャンプの着地時に足をひねる捻挫のような「間接的な外力」があります。

また、相手競技者との接触による接触性外傷と、相手と関係なくターンや着地などによりひねるなどの非接触性外傷があります。接触性外力としてはラグビーなどにおける衝突での頸の捻挫、肋骨の骨折などのような損傷、非接触性外傷としてはバスケットボールでのストップ・急なターンにより膝をひねっての十字靱帯損傷、ダッシュなどで踏み出した際のアキレス腱断裂や肉離れなどのようにみられます。

スポーツ競技により、損傷の部位、損傷の程度などそれぞれに違いがみられます。また、成長時期の外傷、高齢者にみられる外傷、男女による外傷などにおいてもそれぞれに特徴があります。

柔道整復師として皮下損傷における骨折、脱臼、捻挫、打撲、挫傷(肉ばなれなど)の治療、リハビリテーション、予防の指導など、一人一人に応じたメニューを施していきます。

(専任教員) 太田作郎

第28回 コロナのマスクストレス、アロマで快適に<赤門教員コラムリレー>

大分気温が高い日も増えてきました。新型コロナウイルス対策として、マスクを長時間つけるのは汗もかくし、苦しいなど「ストレス」になっているのではないでしょうか?
マスクが大切だとはわかっていてもどこか抵抗がある・・・

東洋医学ではこの「ストレス」をためること、不規則な生活は「気滞」の原因になるといわれています。
この「気滞」の改善法の一つとして・・・「香りを取り入れる」。

是非お勧めなのが、エッセンシャルオイル(精油)の香りでマスクを快適にする方法です。
今回はマスクにシュッとできる「アロマスプレー」の作り方を紹介します。
ウイルス・風邪予防には下記①、②のエッセンシャルオイル(精油)を選び、その他好きな香りを選びましょう。
香りの効果で気分もさわやかになります。精油の成分を吸入することが同時にできるので、精油の薬理効果を取り入れて予防をすることにもつながります。是非活用してみてください。

※精油には、雑貨扱いのもの、香りを楽しむだけのもの、メディカルグレードなど様々があるので品質には気をつけて作りましょう。

赤門コラム

①抗ウイルス対策作用のある精油
ティートリー・ユーカリ・ラベンダー・ライムなど
②殺菌作用のある精油
ティートリー・ユーカリ・ラベンダー・レモン・レモングラス・グレープフルーツ・タイムなど
③イライラ・緊張しやすい
ペパーミント・ラベンダー・オレンジ・ベルガモットなど
④集中力・記憶力の低下
ローズマリー・ラベンダーなど

ガネーシャ鍼灸院 院長
赤門鍼灸柔整専門学校 専任教員
川嶋睦子

第27回 脳梗塞の後遺症<赤門教員コラムリレー>

脳梗塞の後遺症

脳梗塞の後遺症の代表的なものは片麻痺でしょう。右か左の体の半分が自分の意思で動かす事が出来なくなります。目立つのは腕と脚の動きの不自由さですが、お尻や首・背中・腰の体の半分も筋肉の自由が利かなくなります。動かなくなるのは、体の半分ですが、悪くなったのは、脳細胞ですね。ですから、回復を目指すなら脳への治療アプローチが必要となります。

医学で分かっているのは、脳には可塑性という機能があって、使えなくなった部分の脳細胞の作用をシステム的に迂回させて機能は回復出来る場合もあると言うことです。また、動きの訓練だけをするよりも、同時に複数の刺激を与えると回復に効果が高くなると言う事が、鹿児島大学の川平先生が提唱され、高い効果を発揮しています。他に、動かない方ではなくて動く方の腕を固定してリハビリすると脳システムで麻痺した腕を動くようにしなければと言う判断をするようで、回復に効果的である事も解っています。

さて、鍼灸治療ではどうでしょう。私の研究結果として、鍼灸治療は、脳システムで作用する事が分かっています。学会で発表した事ですが、片麻痺の患者さんの動く方に鍼を刺したまま、麻痺した腕を動かすイメージをしてもらうだけでも、機能回復への効果は高くなる事も分かっています。

東洋医学・鍼灸治療では、数千年昔から巨刺(こし)と言う悪くなっていない方の体に刺す方法があります。

私自身は、病院勤務していた時期に、片麻痺を起こした多数の患者さんの鍼治療を受け持っていました。その中で実感したのは治療・リハビリを受けるだけの場合より自分で「動きたい!」としっかり思って、脳活動を活発にした方が回復へ向かう事が多かったと記憶しています。また、治療に当たるときは、その心を持って貰えるよう接する事が必要でした。人の動きは全て脳からの出力情報でコントロールされています。鍼灸治療は脳で効果を出しています。

適切な鍼灸治療は、脳の可塑性を活発にして、麻痺の回復への近道となり得ます。
刺すだけでは無い鍼灸治療を是非受けてみてください。

<専任教員:吉本豊>
吉本豊先生YouTubeはこちらから
QRコード
https://www.youtube.com/channel/UCq6pZIYEiTHEjV2Qxr8IFdQ

第26回 肩こり・首こり・寝違い・ムチウチ~肩こり、首こりに対する操体法~ <赤門教員コラムリレー>

今回も、仙台発祥の操体法で述べていきます。
操体法の基本動作は、呼吸、飲食、精神活動、身体運動で、それらに環境との関わりがあります。呼吸は複式呼吸で行い、身体運動は無理せず、動きやすい方に動くようにします。

肩こりは、カバンの紐を長時間肩に掛ける、猫背などの不良姿勢、長時間のデスクワーク等により、肩上部、肩背、肩甲間部の筋緊張および硬結、重い感じがする等の症状がみられます。首のこりは、頚肩部のこり、痛み、頚部の後屈・側屈等に運動制限があります。

①肩のこり、重い感じ
本人は、正座か椅子に腰かけ、術者がいる場合は、その背後から両肩を左右に交互に下に押し下げ、左右感覚の違いを聞ききます。右肩を押し下げた時、痛みや苦しさ等がある時は術者が本人の右肩を軽く押し下げ、その軽い抵抗に対して本人が肩を上げて行き、痛みがない所で、瞬間脱力をします。
本人が一人で行う時は、左右の肩を交互に上げてみて、上げやすい方の肩を自分でゆっくり上げて行き瞬間脱力をします。

肩こり、重い感じ

②肩・腕の痛み
術者が本人の手首をつかんで行うか、本人のみで行う場合は、自分で行います。腕を内側、外側に回し、痛くなった所、苦しい所で止め、逆の痛くない、苦しくない方向に回旋し、楽な所で肩から瞬間脱力をします。肩の角度を上方、下方、内方、外方と色々変えてみて一番調子の悪い角度を探して、そこで腕を内側、外側に回して行うようにします。

片腕の痛み

③頚部の痛み
本人または術者が頭部を左右に回旋し、その左右のどちらの首が痛いか苦しいかを聞きます。仮に左回旋で、痛み、苦しさが生じたら、その生じたらその角度から、右回旋を行うようにします。術者がいたら軽い抵抗をしてもらうが、本人が行う時は、自分で行い、楽な所で瞬間脱力をします。これは、左右側屈でも同じように行います。

頚部の痛み

④頸椎の周りの痛み
頚椎の周りに痛みのある所、硬結のある所、その一か所の最大圧痛点に指2~3本を離さず押さえます。そのまま仰向けになって、顎を上げ、胸をブリッジするかのように上げ張るようにして、圧痛、硬結のある方に顔を回旋させて、楽な所で瞬間脱力をします。

頸椎の周りの痛み

操作してくれる相手がいる場合は2~3回、一人で行う場合は、3~5回行います。これらの操作の内、どちらも楽な場合は、その操作は省き別な操作を行っていきます。

(専任教員)糟谷俊彦

第25回 肩こり・首こり・寝違い・ムチウチ<赤門教員コラムリレー> 

新型コロナウィルスの感染拡大の影響により、外出自粛が続く中、運動不足やテレワーク、ストレスなどから肩こりや首(頚)こりが発症したり、以前よりもひどくなった方が増えてはいないでしょうか。肩こりや首こりは日常生活や仕事での痛みや以前からある痛みなど、慢性的なものが多く、改善しにくい場合もあります。 肩こりの予防の簡単な運動として、気をつけの姿勢から手のひらを前方に向けて肘を曲げると肩の前を指先で触れることができますので、その姿勢のまま肩を大きく前後に10回ずつ、まわして下さい(このとき、肩に痛みがある場合は中止してください)。肩甲骨を動かすように意識してまわすと、なお効果的です。

肩こり解消

また、首(頚部)の傷病には、寝違えやむちうちなどがあります。

寝違えは、睡眠中、長時間にわたり無理な姿勢をとることで筋肉の一部の血行が悪くなることや枕の高さが合わないことなどが原因で、寝起きに首を動かすと筋肉痛のような鈍い痛みが首や肩にかけて生じるのが特徴的です。症状は数時間で改善する軽度な痛みから数日にわたって首を動かせないような強い痛みを生じます。

寝違えてしまったときに迷うのが、冷やすのか?温めるのか?ではないでしょうか。寝違えてすぐの痛みが強いときは炎症が起こっていますので、まずは冷やしましょう。その後、腫れや痛みが引いたら、首周りの筋肉を温めて血行を良くすることは寝違えや肩こりの予防にもなります。また炎症を鎮めるためには湿布も効果的です。

むちうちは、追突事故のような予測ができない状況(反射的に身構えることができない状況)で後方からの衝撃により、首(頚部)が鞭を打つように前後にしなり痛めてしまいます。ケガをしたその日に痛みがなく、翌日に痛みが出現することもあり、片頭痛などを後遺してしまう方もしばしばみられます。治療の際、どこの医療機関(科目)に受診すればいいのか分からない場合は病院や整(接)骨院などに問い合わせてから受診したほうがよいと思います。痛みが軽いからといって軽症と自己判断はせずに早期に治療をすることが重要です。

(専任教員)小原賢

第24回 花粉症対策<赤門教員コラムリレー> 

赤門コラム

花粉症の方にとって、春は辛い季節だと思います。
そんな花粉症も鍼灸・ツボ押し・セルフケアで症状改善が見込めるので、ぜひ試して頂きたいです。

花粉症の症状に重要なポイントはこちらです。

①頭頂部~前頭部のツボ押し
花粉症で咽喉の違和感、目のかゆみ、鼻づまり等の症状が出てくると、次第に頭頂部から前頭部が緊張してきます。これらは相互に関係しており、頭頂部から前頭部の緊張を緩める事で、これらの症状を改善させる事ができます。
花粉症でお悩みの方は、ぜひご自身の頭の前半分をマッサージして頂きたいです。きっと思った以上に固くなっている事に驚かれると思います。そして緊張が緩むにつれて、鼻がスッと通ってくる解放感を感じる事ができるはずです。

②「痰湿(たんしつ)」の溜まらない生活習慣
花粉症がなぜ起きるのか。東洋医学では「痰湿」と呼ばれる水分代謝の停滞が関係していると言われています。痰湿は甘いもの、脂っこいもの、味の濃いもの等を過食する事で体内に発生し、体内に留まり代謝を阻害します。
春に花粉症が起きる原因は、冬の間に上記のものを常食している事と言われます。冬は身体が物質を蓄える方向に機能をシフトするため、上記のものを常食しても体は溜める方向に働きます。しかし春になると身体は内にため込んだものを発散させる方向に機能をシフトさせます。そのため冬の間に余分にため込んだものがあれば、それを一気に排泄させようと反応が起きてくるのです。痰湿は水の停滞物ですから、鼻水や涙として顔面から出てきます。
常にアレルギー反応があるという方は、もしかしたら甘いものや脂っこいものの偏食があるかもしれません。食生活を菜食中心のさっぱりしたものに切り替える事で、痰湿の除去がスムーズに進み、症状が治まりやすくなります。

いかがでしょうか。花粉症の方はぜひ実践して頂き、春を快適に過ごして頂きたいと思います。

<専任教員>三保翔平

第23回 スポーツと伝統医療(柔道整復・鍼灸・あん摩マッサージ指圧)<赤門教職員コラムリレー>

赤門コラム

昨年(2019)のラグビーワールドカップ、本年の東京オリンピックと近年のビックイベント開催だけを見てもお分かりの通り、世界的に見てスポーツの社会における存在価値は高まる一方である。

その形式は、「プロ、アマのアスリート・サポーター・観戦・等々」、受動、能動いろいろであるが、スポーツ活動に参加する人々が増加しているのは間違いない。

今更であるが、スポーツの価値をあらためて考えてみるとWHOの健康の定義にもあるように「肉体的」のみならず「精神的」なものも含めた健康増進への貢献があげられる。「アスリート」、「観戦」、「趣味」等、参加形式は様々だが、いわゆる「ケガ」「障害」への対応のみならず『人としての生きがい』対応が求められている。そんな中で「ケガ」「障害」だけではない精神的に鬱した状態になった場合でも、伝統医療(柔道整復・鍼灸・あん摩・マッサージ・指圧)の精神面を含めた全人的な把握と、それに対するコンディショニング、リハビリ施術は、有効な結果を上げることができているケースが多い。西洋医学と伝統医学の特徴をそれぞれ生かすことで、選手への更に多方面な、緻密なコンディショニング、リハビリが可能となると思われる。

ちょっと、苦言を呈して短い文を終わらせたい。伝統医療の治療効果は高いのだがアスリートが陥りやすく、施術者にとっても注意を要することは、コンディショニング、リハビリを他人任せにしがちなことである。痛くなったら、或いは疲れたら施術をすれば何とかなる、自分の体を何とかしてほしいという、常に受動的な状態に患者(アスリート)がなりがちな点である。自らの体は、自らの方法で作り上げるという根本的な能動的態度が必要である。自分でストレッチもせず、痛みが出てもアイシングさえしないで施術にかかるという態度は、選手のコンディショニング、リハビリへの自立が失われることになりかねないのである。我々は、患者(アスリート)に関わる時、患者(アスリート)の自立の上でのサポートとしての役割を認識しながら対応しなければならない。これをはき違えるとせっかくの努力が無駄になる。伝統医療の「人を治す」の特色、意味を今一度深く考えてみよう。そこから全て始まるような気がするし、今求められているものだと思う。

(専任教員)亀井啓

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