妊娠初期(4〜5週目)に感じ始める妊娠特有の状態ですね。西洋医学的には、なぜ悪阻が起こるのかはっきりしたことは分かっていません。様々な状態が発現しますね。吐き気や嘔吐、食欲不振のような消化器症状があったり、嗅覚や味覚の変化、眠気、イライラ、頭痛、よだれがとまらないなど、人により様々です。そしてそれぞれ辛いですよね。せっかく赤ちゃんを授かったのに何故こんな辛い状況にならなければならないのでしょう。種の存続を考えても矛盾している様にも思えます。

 東洋医学の方向から「つわり」を考えてみます。
 命をお腹に授かった時は、母子共にまだ安全な状況ではありません。しっかり命を育んでいくためには、母体に安静な状態を維持してもらった方が赤ちゃんの育成に好都合です。そこで、子宮内で赤ちゃんの安定した育成をするのに必要な、お母さんの休養をしっかりとってもらうためには、周囲からもはっきり判る、休んでいなければならない状態を作っているとも考えられます。具合が悪いと周囲の人に理解してもらえるほどの状態を作っている訳ですね。なので、つわりの時期は新しい命を育てる為に必要な休養を周囲の人もしっかり理解してあげるべきです。妊婦さんは堂々と体を休めましょう!!

 ですが、具合が悪くなるのは嫌ですよね。辛いですよね。辛さを軽くする方法があります。辛さを感じやすいのは、吐き気や嘔吐の症状が多いので、これを脳プログラムシステムの分野(東洋医科学)で紐解いていきます。

  • ①妊娠と同時に母体は出産に向けて体を変化させていきます。
  • ②赤ちゃんの出口を確保するために骨盤を広げます。
  • ③これをおこなっているのがリラキシンと言う名前のホルモンです。
  • ④靭帯や筋肉を緩める作用があります。
  • ⑤靭帯や筋肉には24時間絶え間なく体の位置関係を脳へ知らせている深部知覚という感覚のセンサーがあります。
  • ⑥脳ではこの情報で体をどうコントロールするかを決めています。
  • ⑦これが今までと異なって来るのです。
  • ⑧この体感覚の違いを脳システムで上手く計算出来なくて混乱しています。
  • ⑨状況での胃や食道の逆の動きや異常な緊張が、吐くという状態を作り上げます。これがつわりですね!

つわりの辛さを軽減するには?
 新しい筋肉コントロール環境を脳で受け入れられれば、つわりは早く解消出来る事でしょうし、軽くすむ様になるでしょう。
 脳プログラム上の修正を行い、根本的な変化・改善をする方法の一つに、鍼・灸治療や、指圧・マッサージがあります。

 つわりの辛さを少しでも軽くしたい方、つわりが酷くてお困りの場合、薬に頼らなくても改善することも出来ますし、つわりで疲れた体の回復や改善をしたい場合、このコラムを読んだので・・と、お近くの、はり・灸・指圧・マッサージの治療院へお問い合わせください。根本現任を理解している先生方が多いのでお役に立てることでしょう!

(専任教員)吉本豊