神経の受容器は手指や口唇に密集しています。つまり手指や口唇はとても敏感ということです。日常では、握手で親密度を深め、キスで愛情を高め、抱きしめあうことでやすらぎを感じるなど、言葉を介さなくても皮膚を刺激することで感情を発露することができます。このような「ふれあい」は人と人の関係を気付く手段であり、絆も深めてくれます。
医療における-触れる-「手当て」は、ホスピタリティとして身体の痛みを和らげるとともに、精神的な安堵感ももたらします。

コロナ感染症の影響で、不安やイライラが募ったり、人とのつながりが感じられなかったり、生きづらさを感じたりしていないでしょうか。ストレス状態の時、つい疲れているところを本能的に触れてしまうと思います。この行為は、自身に対する「手当て」なのかもしれません。

ストレス解消にいま着目されているホルモンに「オキシトシン」があります。幸せホルモンともいわれ、最も多く分泌させるのは、人とのスキンシップが良いと言われています。肉体的な苦しみだけでなく、精神を解放する「癒し」として、「医療」における「マッサージ」の効果はここにあると思います。

本学ではマッサージなどを通して、「触れる」ことによる「ふれあい」を大切に、患者様の「癒し」になりますよう日々取り組んでいます。

(専任教員)宍戸新一郎