一般に「筋肉痛」とは、運動した翌日以降に筋肉が痛む「遅発性筋痛」を指します。
しかし、医療での「筋肉痛」は一般のそれとは異なります。
様々な疾患による全身性のものと、物にぶつかったりトレーニング後に生じる局所性とに大別されます。
全身性筋痛の原因としては、感染症、リウマチ性疾患、循環障害、内分泌疾患などがあります。風邪やインフルエンザなどの時に筋肉が「痛い」という経験はないでしょうか?これも「筋肉痛」といえるのです。
このように一言で「筋肉痛」といっても様々な原因が考えられます。

今回は、トレーニング後に生じる「遅発性筋痛」についてお話しをしたいと思います。

「遅発性筋痛」の原因 ※1
トレーニングでの負荷(時間・回数・強度など)により、筋線維が損傷を受けることで炎症を引き起こし、「筋肉痛」が発生します。そして、筋線維は回復すると以前より少し太くなります。ただし、「筋肉痛」が起きなくても、筋肉に刺激(トレーニングなど)を与えることにより筋肉は強くなります。

「遅発性筋痛」の予防について ※1
運動をする前に筋肉のエネルギーとなる、タンパク質を取ることが重要です。また、水分摂取も重要です。水分が少ないと血液循環が悪くなり細胞に酸素や栄養が行きわたらなくなるからです。それと睡眠をしっかりとりましょう。
運動で損傷した筋肉を修復してくれます。
最後にトレーニングによる「筋肉痛」の予防には、トレーニング前後のストレッチと軽い運動が重要です。「痛い」からと、寝ていると血流循環が悪くなり、治るのが遅くなります。そのため、ウォーキングなどの軽い運動をして損傷した筋肉に栄養などを送り、回復の手助けをすることが重要です。

「遅発性筋痛」と鍼灸 ※2
鍼灸施術には血液循環を良くする働きがあります。トレーニング後に鍼灸施術を受けることにより、鍼で刺激された局所では筋肉の緊張を緩和し、血流を改善できます。

参考資料
※1 大正製薬ダイレクト 健康お役立ち情報 健康コラム
https://www.taisho-direct.jp/simages/m/contents/column/body/cure02/
※2 株式会社医道の日本社 はりきゅう理論 第1版 第9章鍼灸治効の基礎

(専任教員)古川雄一郎